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手書きあれども文書きなし [慣用句]

講談『伊賀の水月』

美しい文字を書く人……手跡(て)の人は、得てして文章は書けない。
美しい文章を書く人は、文字が汚いという意味。

自分の慰めに。

まじめに書けば、文章(のリズム)を気にしていると、文字の綺麗さを気にしている時間的な余裕はないよね。少なくとも。

ま、パソコンになって、そんなこともなくなってしまったのかもしれないけど。
でも、未だにオレは、万年筆が手放せないです。
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ただ人を驚かせようと思って描いている [落語]

志らくのピン @内幸町ホール

志らべ 『天災』
志らく (まくら)「与太郎ケーキ屋」
    『錦の袈裟』
    『おせつ徳三郎』(上・下')
    『抜け雀』

志らべさんの『天災』。相変わらずの愉快な感じが楽しかった。
ちょっと、言葉尻を飲んでしまって、
わかりにくくなってしまっているのが惜しいと思いました。

志らく師匠は、まず『グラン・トリノ』大絶賛から。
全く納得。ホント、いい映画です。というか、ホント落語的です。
師匠が言うように、このイーストウッドは江戸っ子かも。
滑稽さも含めて。

そして誕生日ケーキ購入にまつわる与太郎咄をマクラに。
っていうか、ほぼ新作落語。大爆笑。

『錦の袈裟』でステキなフレーズ。
「北向きはどこが目当てか赤とんぼ」
あとんぼの「あ」にアクセントが来るのが江戸弁の美しさ。
「大一座振られたヤツが起こし番」
途中で『明烏』が出てきたりしてニヤリ。

(勉強のためのメモ)
朝イチで「袈裟」を返さなければならない縛り(ジレンマ)と
大名と勘違いされる点が笑いとドラマの構造。

『おせつ徳三郎』。馬生師匠のが大好きなこの咄。
前半の『花見小僧』で、小僧がお嬢さんのことを話しつつ
「あのガキぃ」とか「あのバカ」とか、
入ってくる口の悪さが、馬生師匠譲りなのかな。
あの間が大好きです。

この咄の「下」は、おせつに捨てられたと思い込んだ徳三郎が
心中しようと訪れた刀屋で親父と話すシーン、
そのあと、近所の若いもんが飛び込んできて、
お嬢さん(おせつ)が婚礼から逃げ出したと聞き
一気に展開していくグルーブ感が好きではあるのだが、
サゲが陰惨で、つまらない。

志らく師匠は得意のシネマ落語な感じに仕立て直し、
スピーディに展開(ので、下は「下'」にしときました)。
気持ちの良いエンディングでした。

『抜け雀』
今日のタイトルは、ついたてから抜け出る雀を描いた息子が
父の絵を見て自分の創作態度を反省するシーン。

最近の志らく師匠は『中村仲蔵』とか『浜野矩随』とか
芸術家の気質に迫るものが多くてとても好きです。

そして父親の口癖は「もっと健気にやれ」。
身に沁みます。

ちなみに『抜け雀』で好きなフレーズ。
「ウチは商売さえしなければ生きていけるんだから」
「てめぇ、金玉握りつぶすぞ」
どちらも宿屋の女将のセリフです。

あと、「今年に入って36人目だって」
相模屋が「一文無し」を泊めた人数を近所の同業者が同情するセリフ。

前回聞いたのと違っていたのは(僕の記憶違いでなければ)
息子の絵描きが、一文無しだった理由が、
「籠かき(追いはぎのようなもの)」に襲われたこと。

「籠かき」がサゲに繋がるので、
よくマクラで説明する落語家か多いが、
咄の中に織り込んだのと、
息子の性格が浮かんでくるようで、良かったです。
あと、「桜を描いたら花が咲いた」というエピソードも、かな。

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どんな些細な勝利でも、一度自分に勝つと人間は急に強くなれるものである [慣用句]

bnkr_01_hyoshi1.jpg
文学フリマに出す同人誌、「bnkr(ボンクラ)vol.01」の入稿が完了しました。
あとは刷り上がってくるのを待つばかり。

【詳細】
第八回文学フリマ
開催日 2009年 5月10日(日)
時間 開場11:00〜終了16:00(予定)
会場 大田区産業プラザPiO
サークル名「bnkr」
ブース番号「G-13」

みんな来てね、来れなくても買ってね。
全92ページもあって、たったの500円(予定)です。
ちょーおトク

表紙は漫画家の「うめ」さんが書いてくれました。
これだけでも500円の価値はあるよ!
ちなみに「うめ」さんの片割れ、おざわさんも小説に初挑戦してます。

オレは、何度も言ってるけど、当初は脚本の一部を掲載して
お茶を濁そうとしていました。

でも、同人たちのがんばりに触発され、
また、芝居で頑張っている仲間や、
読んでくれて励ましてくれた友人たちの心意気を感じ、
逃げてちゃイカン!っと。

当初の脚本もそれなりに頑張って書いたつもりだったんたけど、
やっぱり「逃げて」いました。
それは内容的にも「お茶を濁していた」なぁと。

書き直した小説版は、出来不出来はともかく、
いまの自分と正面から向き合った結果に出てきたものです。
まっすぐに自分の中に降りていって、
自分の真にあるモノに近づき、
それを形にできたという実感があります。

もちろんまだまだ甘い部分も多いし、完成度には疑問符もつくけど、
でも、この実感は大きい。

「どんな些細な勝利でも、一度自分に勝つと人間は急に強くなれるものである。」(キルケゴール……だったかな?)

この言葉を信じて、脚本版も書き上げます。
ほかの企画も進めます。
やる気というか、書く楽しさ、創る楽しさも、
久しぶりに戻ってきた気がします。
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文学フリマに出店します

仲間8人で、小説を書きました。
文学フリマに出店します。
bnkr_01_hyoshi1.jpg
▲コレは漫画家のうめさんが書いてくれた表紙。
うめさんも小説、書いてるよ!

僕の分は原稿用紙で約43枚分。
こんなに頑張れたのは仲間たちのおかげです。

【詳細】
第八回文学フリマ
開催日 2009年 5月10日(日)
時間 開場11:00~終了16:00(予定)
会場 大田区産業プラザPiO
サークル名「bnkr」
ブース番号「G-13」

みんな来てね、来れなくてもかってね。
全92ページもあって、たったの500円(予定)です。

ちなみに、印刷は、POPLSさん。
いま、コミケやフリマ専門の印刷屋さんって、多いのね。
しかも会場まで届けてくれる……コレだったのか。
poplsbn.gif

よろしくー。
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一富士二鷹ジョンレノン [本]

長島有『ジャージの二人』『ジャージの三人』

久しぶりに小説一気読み。
本当に巧みだなぁ、この人。

俳句で言う《二物衝撃》とか、
米光講座で言う《ジャンプ》みたいな事象が、
とても巧みに編み上げられていて、
細かい別々の写真をコラージュして、
離れて見ると全体で別の絵になっているっていう作品みたい。
(モナリザとかカンパリとかの奴ね)

ジャージやカマドウマやアルフォートやワープロやら熊手やら……
情景としては違和感がないし、
語り口もなめらかですらすら読めるけど、
よくよく考えるとその組み合わせはちょっと不思議って感じで
でもそれらの細部が浮かび上がらせる全体の《感情》は
ふと涙ぐんでしまうほど雄弁に語りかけてくる。

こんな文章が書けるようになりしたいなぁ。

……長嶋さんはブルボン小林名義で『ぐっとくる題名』という本も出しています。きっと言葉が生み出す感情とか情景という事を、いつも考えているだろうなあ、この人は。
タグ:小説
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