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ただ人を驚かせようと思って描いている [落語]

志らくのピン @内幸町ホール

志らべ 『天災』
志らく (まくら)「与太郎ケーキ屋」
    『錦の袈裟』
    『おせつ徳三郎』(上・下')
    『抜け雀』

志らべさんの『天災』。相変わらずの愉快な感じが楽しかった。
ちょっと、言葉尻を飲んでしまって、
わかりにくくなってしまっているのが惜しいと思いました。

志らく師匠は、まず『グラン・トリノ』大絶賛から。
全く納得。ホント、いい映画です。というか、ホント落語的です。
師匠が言うように、このイーストウッドは江戸っ子かも。
滑稽さも含めて。

そして誕生日ケーキ購入にまつわる与太郎咄をマクラに。
っていうか、ほぼ新作落語。大爆笑。

『錦の袈裟』でステキなフレーズ。
「北向きはどこが目当てか赤とんぼ」
あとんぼの「あ」にアクセントが来るのが江戸弁の美しさ。
「大一座振られたヤツが起こし番」
途中で『明烏』が出てきたりしてニヤリ。

(勉強のためのメモ)
朝イチで「袈裟」を返さなければならない縛り(ジレンマ)と
大名と勘違いされる点が笑いとドラマの構造。

『おせつ徳三郎』。馬生師匠のが大好きなこの咄。
前半の『花見小僧』で、小僧がお嬢さんのことを話しつつ
「あのガキぃ」とか「あのバカ」とか、
入ってくる口の悪さが、馬生師匠譲りなのかな。
あの間が大好きです。

この咄の「下」は、おせつに捨てられたと思い込んだ徳三郎が
心中しようと訪れた刀屋で親父と話すシーン、
そのあと、近所の若いもんが飛び込んできて、
お嬢さん(おせつ)が婚礼から逃げ出したと聞き
一気に展開していくグルーブ感が好きではあるのだが、
サゲが陰惨で、つまらない。

志らく師匠は得意のシネマ落語な感じに仕立て直し、
スピーディに展開(ので、下は「下'」にしときました)。
気持ちの良いエンディングでした。

『抜け雀』
今日のタイトルは、ついたてから抜け出る雀を描いた息子が
父の絵を見て自分の創作態度を反省するシーン。

最近の志らく師匠は『中村仲蔵』とか『浜野矩随』とか
芸術家の気質に迫るものが多くてとても好きです。

そして父親の口癖は「もっと健気にやれ」。
身に沁みます。

ちなみに『抜け雀』で好きなフレーズ。
「ウチは商売さえしなければ生きていけるんだから」
「てめぇ、金玉握りつぶすぞ」
どちらも宿屋の女将のセリフです。

あと、「今年に入って36人目だって」
相模屋が「一文無し」を泊めた人数を近所の同業者が同情するセリフ。

前回聞いたのと違っていたのは(僕の記憶違いでなければ)
息子の絵描きが、一文無しだった理由が、
「籠かき(追いはぎのようなもの)」に襲われたこと。

「籠かき」がサゲに繋がるので、
よくマクラで説明する落語家か多いが、
咄の中に織り込んだのと、
息子の性格が浮かんでくるようで、良かったです。
あと、「桜を描いたら花が咲いた」というエピソードも、かな。

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