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羽織着せかけ行き先訪ねすねて箪笥を背で閉め [狂歌・川柳・都々逸]

旦那を送る女房。訪ねても本当のことなんか答えないのがわかっていながら、行き先を訪ねて、嘘をつかれてまたすねてみたり。

その旦那、行った先で気ままに昼寝。決して女房のところが落ち着かない、と言うわけでもないのだけれど。それを見守る女の一句。

◆うたた寝は毒だとかねて知りながら 起こしゃそのまま帰る人

帰したくないけど帰さなきゃならない。いっそ最初から会わなきゃ楽なのかしら。

◆会えば苦労 会わねば気病み 首尾に不首尾にやせる秋

どちらも気苦労が絶えない。

やっと起きた男は、やっぱり女房の元へ。本人だけが巧く立ち回っていると思いこんでいるのか、開き直っているのか。

◆いっそ聞こうか いや聞くまいか たたむ羽織に 酒のあと

帰ってきたら帰ってきたで、女房の気苦労は絶えない。男は、知ってか知らずか高いびき。


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